ウクライナの核施設、ダム被害で安全性が危うくなる
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ウクライナの核施設、ダム被害で安全性が危うくなる

May 18, 2023

「直ちに核の安全上のリスクはない」ものの、火曜日にウクライナ南部のダムが損傷したことを受け、国連の核監視機関は欧州最大の原子力発電所を冷却し続けるための水を入手する選択肢を模索している。

モスクワとキエフは、カホフカ水力発電ダムの被害について互いに非難しており、洪水により数千人が避難している。

カホフカダムはドニプロ川沿いにあり、約150キロ離れたロシア占領下のザポリージャ原子力発電所に冷却水を供給する貯水池に水を供給している。

同原発に専門家チームを擁する国際原子力機関(IAEA)は、同原発の「状況を注意深く監視」しているが、「当面の核安全上のリスクは見られない」と述べた。

フランスのIRSN原子力安全規制当局の副長官であるカリーヌ・エルヴィウ氏もAFPに対し、「原発の安全性に対する差し迫ったリスクはない」と語った。

「ダムは上流ではなく下流にあるため、発電所が浸水する危険はない」と彼女は付け加えた。

ロシアが設置した工場長ユーリ・チェルニチュク氏は、工場に安全上の脅威はないと主張した。

しかし、1986年に壊滅的なチェルノブイリ原発事故に見舞われたウクライナは警鐘を鳴らした。

ウクライナ大統領補佐官ミハイロ・ポドリャク氏は、世界は「再び核災害の瀬戸際に立たされている」と述べた。

IAEAのラファエル・グロッシ長官は、ダムの損傷により貯水池の高さが1時間あたり約5センチメートル(2インチ)減少していると、IAEAの35人からなる理事会への声明で述べた。

貯水池の水位は火曜未明に約16.4メートルで、水位が12.7メートルを下回ると原発に汲み上げることができなくなるとグロッシ氏は警告し、これは「数日」以内に起こる可能性があると付け加えた。

同氏は、工場の「非必須の水消費者」への供給が停止される中、工場スタッフは「冷却水路と関連システムにできるだけ多くの水を送り込むようあらゆる努力」を行っていると付け加えた。

それに加えて、IAEAは敷地に隣接する大きな冷却池が「数カ月間」冷却用の水を提供できるかどうか確認しようとしていると述べ、この池は「設計上、貯水池の高さよりも高く保たれている」と付け加えた。 」

「したがって、この冷却池が無傷のままであることが極めて重要だ。その完全性を潜在的に損なうようなことは何もしてはならない。それを損なうようなことがないようあらゆる方面に呼びかける」とグロッシ氏は述べ、来週工場を訪問する予定だと付け加えた。

ハーヴィウ氏は、ダムの損傷により工場の状況は「悪化」しているが、「いずれにせよ、解決策を探す時間はおそらく数週間ある」と述べた。

選択肢の一つは、「戦時中は必ずしも容易ではないとしても」トラックで水を現場に運ぶことかもしれない。

同発電所の原子炉はすでに停止されているが、核災害を確実に防ぐためには依然として冷却水が必要である。

「重要な冷却水システムに冷却水が長期間存在しないと、燃料が溶けて非常用ディーゼル発電機が動作不能になる可能性がある」とグロッシ氏は警告した。

エルヴィウ氏はまた、原子炉が数か月間(最後は9月に)停止していたという事実は「良いニュース」だと述べた。

「したがって、影響は小さくなります」と彼女は付け加えた。

グロッシ氏は、発電所の近くで砲撃が行われ、重要な電力供給も何度も中断されたため、発電所の保護を繰り返し呼び掛けた。